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スリランカ建築行脚(13)

今回はクラブ・ヴィラ。この話しを書くにあたって重要になるのがこの日に泊まる予定のNumber87(現在のBoutique87,Bentota)との関係です。


バワは事務所での大きなホテルプロジェクトに疲れる一方で小さな規模の仕事が好きだったそうです。バワは伝統的なヴィラを友人に購入させては改修する事が好きでした。


兼ねてから眼をつけていたモホティ・ワラーティーという19世紀に建てられたヴィラがあったので、イタリア人女流彫刻家のリディア・デュチニにも声を掛けました。彼女はスリランカ人のダラス・グナセカラと結婚して、海の近くに仕事場兼自宅を希望していたそうです。


彼女はモホティ・ワラーティーは購入せずにゴール・ロード沿いの(コロンボとベントタをつなぐ主要道路)ヴィラを購入します。バワは西の道路に向けて建っていたヴィラを東の森の方へと向けるように改築し(Boutique87の食堂棟)、今度はその対角線上にヴィラを設計しました。このバワが設計したヴィラがNumber87で現在のブティック87になります。


その後、知人であったセレンティブホテル支配人の友人などにもモホティ・ワラーティーを勧めるも購入せず、結局、バワ自身が購入して現在のクラブヴィラが完成しました。

長くなりましたが、これが紹介するクラブヴィラ設計の背景です。


Club Villa
Club Villa

こちらがクラブヴィラの外観。1981年竣工。

1階がレストランで左奥がフロントエリアとホール。


Club Villa
Club Villa

アプローチに戻ります。ヴィラのエントランスを入ると先ずはこの廊下を進みます。

早速、バワが好んで設計に取り入れた中庭空間が現れます。


Club Villa
Club Villa

廊下突き当りのフロントでチェックしましたら、ホールに招かれます。鯉が泳ぐ蓮池があり、正面に吹抜けのホールが現れます。


Club Villa
Club Villa

光があたる椰子の樹が植わった庭園を窓から望め、ホール左側のセナナヤケの壁画レリーフに視線がいきます。


Club Villa
Club Villa

セナナヤケのレリーフ


Club Villa
Club Villa

とても美しいですね!葉が重なる表現を白く消してとても柔らかな表現になっています。


Club Villa
Club Villa

調度品や設えも私が好きなモノばかりでじっくり愛でたい。宿泊室への扉も同じようですが木製扉のデザインもいいですね。


Club Villa
Club Villa

私は宿泊しなかったのですが、ヴィラでは見学のみだと断られるケースもあるのですが食事の利用で訪問すると比較的通してもらいやすい。と調べていましたのでこちらで昼食をいただきました。


Club Villa
Club Villa

建物の外観をちょっと北側に振ってみてみます。右側が先程のレストラン、左に宿泊者のテラスが見えます。2階の宿泊室からは線路を挟んで遠くのビーチを望めます。


Club Villa
Club Villa

視線を北に完全に向けると1階のラウンジと2階宿泊室が見えます。こちらの2階は恐らくバワが宿泊していたと言われるテラス付きの部屋になります。バワは好んで泊まるのはスイートではないらしく、後に書きますカンダラマホテルでも景色がそれほど良いと言えない一般宿泊室に好んで泊まったそうです。それには何かバワの想いがあったのではないでしょうか。設計者として”特別ではない部屋の居心地をも大切にする”ことにとても共感を覚えたエピソードでした。バワは友人達と親密な距離で群れるより、一人の時間をとても大切にした人物のようでした。


HPに宿泊室も掲載されています。ご参考に


Club Villa
Club Villa

庭園に開かれたテラスと宿泊室は外部空間を挟んでプライバシーが確保されています。このスケール感が非常に良かったです。



Club Villa
Club Villa

スイートのある客室棟から西のビーチ側を見た写真。プールがありますが造成で高さを盛り上げており自然にみえる形で高さを上げています。左(北側)の塀の向こうはパラダイス・ロード・ヴィラ・ベントータでこれもバワが改修したもの。昔は塀がなく同じ敷地だったそうです。隈研吾さんが改修設計しています。


Club Villa
Club Villa

南から北側を撮った写真。敷地西側はすぐ線路。南はゴール、北はコロンボへいく路線です。椰子の樹がとても心地よいのはターラベントータと雰囲気が似ています。アフンガッラと同時期、ターラベントータの8年後と考えると設計も類似するものが見てとれます。


Club Villa
Club Villa

一緒に昼食をとったJANAKAさんは線路を歩いてみていました。(私より見学にのりのりになってる)



Club Villa
Club Villa

これはレストランからすぐ西に建つ建物でスパや結婚式にも使う施設のようでした。中庭に向けて蓮池があり、とても静かな雰囲気ですが、西側から見るとこの様に2層分の断面が現れます。ちょっとこのヴィラにはスケール感が合わない感じがしました。


Bnetotaでの見学もいよいよクライマックスでこの日の宿泊であるブティック87(Number87)を残すのみとなりました。


(13)へ つづく。

 
 
 

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