スリランカ建築行脚(11)
- 松下佳介

- 22 分前
- 読了時間: 6分
今回もBENTOTA。初めてのスリランカ建築研修旅行とあって、バワ建築が周辺しているEBNTOTAに3日取っており、結果的にはじっくり見学できました。
カンダマラホテルのある文化三角地帯は行かない場合はブルーウォーターホテルやアーユルヴェーダマハゲダラなど(しかし予約を取るのが本当に困難)に宿泊して西海岸の建築を体験するのもオススメです。

今回はバワの兄であるベイビスバワの作庭した庭園。Brief Garden を訪ねる事にしました。書籍(『熱帯建築家 ジェフリーバワの冒険 新潮社』や『ジェフリーバワ 全仕事』参照)に詳しく書かれていますが簡単に書いておきます。
ジェフリーがスリランカに帰国してルヌガンガの土地を入手した頃にベイビスのもつブリーフガーデンやプランテーションが有名になり庭園やランドスケープデザインの仕事が増えてきたそうです。その頃にベイビスはヨーロッパ旅行し、帰りの船の上でアーティストのドナルド・フレンドに出会い恋に落ちたそうです。彼は男性でベイビスは同性愛者とありました。
ドナルドをブリーフガーデンに招き入れたベイビスは共に暮らし、創作活動をここブリーフガーデンで行ったそうです。期間でいうと5年余りの期間を過ごされたそうです。
※写真はブリーフガーデンの敷地に入りエントランスに向かう道路。この様にプランテーションの敷地内はジャングルのように植物で覆われています。

エントランス。見えにくいですが壁の右側にかかっているベルを引っ張るとスタッフが出て来てチケットを購入します。キャッシュレスが進んでいるのでカード決済できる場所がほとんどです。

敷地エントランス広場にあるマップです。今回はベアフットで入手した『The Architectural Heritage of SRILANKA』というスケッチが非常に美しい本からマップを引用させていただきます。

こちらがそのマップ。全て手書きで描かれた美しいマップです。右端にあるロータリー(実際はトゥクトゥクくらい小さな車でないと一発で回転できない狭さ)から敷地内に入り、一本道を進むと広場にでます。 見学では水色に塗った箇所が入口。庭園をぐるっと回って最後にベイビスとドナルドが暮らした邸宅を見た後に赤に塗られた出口に案内されます。(2枚目の写真)マップに断面図がありますが起伏のある敷地で西側(画面左)に行くにつれて低くなっています。
庭園の設計を紐解いてみます。
広場の北側に面して邸宅があります。邸宅はガーデンを見渡せる開けた西側テラス、周囲の緑に囲まれた東側テラス。と2つのテラスを持ちます。そして、開けた西側の庭園は南へ傾斜する蓮池庭園、そして北に傾斜する庭園と2つの軸線で構成されています。実際歩いてみると敷地に合せて歩道ができていて、石造のベンチや傾斜に食い込むように造られた階段が自然と一体となってとても魅力的な空間を作りだしています。

庭園へ入って、傾斜地を降りていく所の見返り。左手にある階段を上がって小さな広場の先をいくと蓮池の庭園ですが、全貌をつかむためにさらに降りていきます。

奥には蓮池があるのですが、ここからは見えない。

さらに西側に降りていく。この様に多種多様な植生に出会う。

傾斜地を降りきった所。周辺の植栽なのか敷地内の庭園なのかもはや境界もわからない。

斜面を最低限削り取ってできた広場と高低差を利用したベンチ



北側の庭園広場にむかう階段。人工物と自然とが一体となるコンセプトはジェフリーバワとも通じる。この階段は桁といって階段の両側に壁があるものですが、それが無いものは特に自然になじんでいる。

奥に蓮池が顔を出してきている。その途中にあるモザイクタイルの貼られたベンチ

棚田上になっている蓮池。蓮の花はちらほら咲いていましたが、整備してもっと花を咲かせると圧巻ですね。

蓮池を登りきった場所。奥に邸宅が見える。菩提樹やシナモンといった植生はスリランカでは多く見られ、スリランカの旅の記憶と共に脳裏に焼き付いている風景です。

北側の庭園。左奥に見える芝庭が段上になって北側に下っている。手前は鉢植えに顔がついたものでバワ建築にもアイコンとして時々現れる。ルヌガンガのものが有名。
奥がやはりバワもコレクションとしてルヌガンガやブティック87にも置かれている中国製のカメ。 ゴール市内観光の日記に書きましたが、ワインなどを船で運んだ時に使用されたもの。

中腹部にある休憩所。

北側(北西)にある庭園を降りると半円形の広場が現れます。

やはりここでもムーンストーンが敷き込まれています。

広場に面して石敷きの広場があり、半円を描いたベンチがあります。


これは何の写真?と思われますが、私の記録として載せています。
実は北の庭園を降り切った場所で動物の物音がしたため、奥へすすむと”マングース”がつがいでいました。ドライバーのJANAKAさんに聞くと非常に珍しいとの事です。見れるだけでラッキーだとか。写真におさめようと思った時には奥へ逃げてしまいました。

邸宅から見た北側の庭園。この場所だけ西洋庭園のように直線で構成されていました。

ベイビスとドナルドが暮らした邸宅。西側に藤棚とオープンテラス。

藤棚に花が咲き乱れる季節は美しいでしょう。右手に見える窓はリビングに通じており。美しい風景を切取っています。(次の写真)


内側ガラスと外側扉(雨戸の役割)カーテンなど一切なく開口部の開け閉めで光を調整しています。

左手に見えるのは最初に訪れたエントランスにつながる廊下。

こちらが東側のテラス。先に述べたように西側テラスと比べても性格の違うテラスというのがお分かりになると思います。

こちらは邸宅の北側にあって、東と西の庭園をつなぐトンネル。レンガに植物が絡み合って面白いですよね。

ガイドブックや作品集にも登場するこの印象的な扉。実は屋外トイレの扉です。トイレ内部の床はバワの好きな白黒のチェック柄でした。

邸宅から東へ出る玄関ドア。ドライバーのJANAKAさんと共に撮ってみました。彼は私より1つ年上。同年代です。
マニアックな建築旅に同行してくれ、最後にはナンバー11の見学に参加するまでになりました。建築の見学ポイントや設計の特徴を伝えているうちにバワの建築にも興味を持ったようでした。
ブリーフガーデンはガイドブックにはドナルドとベイビスの物語が書かれている事が多く、庭園のイメージはなく現地見学しましたが、ルヌガンガとは対照的でしたが感動した庭園でした。BENTOTAに観光に行かれる際は是非、訪ねてみて下さい。
(12)へ つづく。




コメント