こんばんは。最近、吉田鉄郎の『日本の住宅』という建築本を読み返したのですが、これがまた素晴らしい著書だと改めて気づかされました。
吉田鉄郎さんは1894年富山県出身の建築家ですでに1956年にお亡くなりになられていますが、欧米出張をされた際にも様々な経験をされて、多くの著書や翻訳書も出版されています。私が最初に触れたものは『スウェーデンの建築家』という著書でアスプルンドやレヴェレンツなどの建築に触れ、日本人において北欧建築の素晴らしい間口になる著書でした。
今回の『日本の建築』は日本建築を古代の建築より近代建築まで間取りのみならず、工法や時代背景を踏まえての客観的な歴史として紐解かれています。1935年の著書なので現代とは違ってきているものも多いのですが、設計者として勉強しなければいけない知識が沢山詰まっています。
最近の建築は断熱性能ばかりが眼にとまり、風土を読み解ける建築からかけ離れています。南側に大きな開口部、その他は遮熱をとり小さな窓、住宅全体を断熱材で覆い、出来るだけ省エネルギーで生活できる環境にする。そういった環境造りが主流になってきていますが、ここに出てくる日本建築は全く違ったものです。
私が学生時代から持っているものは、風土と建築が大きなテーマで今も変わりません。
これから先は外的環境をも取り込んだパッシブ設計で日本建築らしさを取り戻すのが大切だと思います。手探りですが、その様な考えを改めて思い起こさせてくれる本でした。
地域の特性を持った街づくりが、故郷といった風景を後世に残せるのか、我々の時代の責任の様なきがします。
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