最近、竹原義二さんの『竹原義二の視点』という建築本を読んでいます。日本の名建築を実測したものを載せたものです。
私も20代、建築行脚に出かけた時は”写真を撮らずにスケッチで残す”といった自分の中だけのポリシーを持っており、どこに行くにもスケッチブックを持って出かけた時期がありました。建築を見学するにしても写真なら一瞬で記録してくれるのに対して、スケッチは結構な時間がかかります。しかし、その方が断然、身体を通して建築が身につくのです。
日本建築は特に尺寸の寸法体系で作られており、いろいろと測る度にある法則などが見えてくるというものです。
私はル・コルビュジェというスイス出身の建築家から影響を受けてその様な事をしていたのですが、のちの宮脇壇さんや中村好文さん、伊礼智さんなども著書で書かれているように実測をフィールドワークにしている建築家の方も多いですよね。
物を測るといった視点から、産業と生産とモノづくりのつながりや設計者の考え方も深く知れて面白いですね。
この写真は”LIFE”という映画の一コマですが、カメラマンが待ち構えている所に美しいユキヒョウが姿を現した瞬間を描いたシーンです。『もし、その瞬間が俺にとって好きな瞬間ならカメラに邪魔されたくない』というシーンです。SNSで写真に溢れかえる時代ですが、眼の前の瞬間をどれだけ大事にできているのか疑問です。
私も身体で感じられるような感覚というものを、大切にしなければと改めて思います。
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