スリランカ建築行脚(22)
- 松下佳介

- 4月18日
- 読了時間: 5分
更新日:4月21日
カンダラマホテルについてもう少し深く掘っていこうと思います。

カンダラマホテルの配置図。下が北になりますが設計図通りに掲載致しました。
前回、5階がベースプランとして書きましたが、地形をよく見ると山はインフィニティ―プルのある方向に向かって尾根になっています。(山登りする方の方が地図の見方がわかると思いますが)その尾根をまたいで西はダンブッラウイング、東はシーギリヤウイングに分かれています。

ダンブッラウイングの5階(基準階)廊下。
このウイングは4階建ての中庭をもつ宿泊棟が一番尖端にあり、そこに行くまで東西に長い宿泊棟を歩く必要があります(写真)。

山の木々が迫っています。廊下の排水はパイプが刺さった簡単もの。

南北の部屋配置がわかる吹抜けの様子。ダンブッラ寺院の方向を向いている。西側のため夕日がとても綺麗に見えます。

7階からの写真

7階からプール方向。ここのプールは人が少なく気持ちが良い穴場。最終日はここで1時間過ごしていました。

ダンブッラウイングの尖端。4階から7階が見渡せる場所。(シーギリヤウイングは湖までの距離があるため、建物全貌を見上げられる場所があります)

1日目の宿泊室。ちょうど尖端の角部屋だったためプールが眼の前に。とても気持ちの良い部屋でした。家具や設えもバワのデザインが踏襲されコンパクトですが居心地の良さを感じました。(この部屋のバルコニーに閉じ込められるというハプニングはありましたが)

バルコニーとルーバーの様子。ツタを生やし森と一体化するコンセプトはバワが竣工当初から考えていた。それが今実現化しています。猿が部屋の中に入らないように扉は常に閉める事。と注意のシールが貼られています。

シャワールームも森の眺望が楽しめます。キングスイートの様な大きな間取りの部屋はかえって眺望のないバスタブ配置となるので、一人旅だとこの位が良いスケール感でした。

狭さを感じさせないように洗面室との間仕切りはガラス。

バルコニーからダンブッラ方面
閉じ込められた時、躯体の梁が外壁に出ていたために助かりました。助けを呼べない部屋だったと想像するとぞっとしました。

場所は移ってシーギリヤウイング。ホールに戻ってきました。

ホールからまた長い廊下を歩いて宿泊室へ向かいます。その廊下沿いにある不思議なハイサイドライト。デザイン自体は、西洋の壁が厚いブロック造の建築にもよく見られる手法なのですが、それにしても厚すぎると思いませんか。

そのカラクリ。実はスタッフ動線になっていました。この説明にも最初に平面図を掲載しています。ホテルには必ずスタッフが道具やリネンを運んだり収納したりするスペースがあるのですが長い廊下をもつこのホテル特有の設計です。バワツアーに参加された方のみ見学させてくれます。

先程の廊下を抜けると視界が一気に広がります。山と湖の眺望が両方に広がります。
この様な眺望の良い場所には必ず椅子が置かれています。家の中の居場所というのは特に座らなくてもいいんです。その時の気分で座る場所を変えてみたりと楽しみや広がりが大切です。私もそんな設計を大切にしています。

シーギリヤを遠くに望めます。テーブルのお椀もカッコイイですよね。

その先を抜けるとその先に階段が見えてきます。

山から眺めてみました。すでに見えていますが階下にピロティが見え、潜り抜けると湖側に出てきます。
下からの見上げムービー

階下からの見上げ。

設備管が露出しています。水道は地下水で排水は浄化して放流しているそうです。

地上を抜けるとこの絶景。圧巻ですよね!
屋上に生えている樹々は後から植えたもの。その他の周りに植えている樹木は当時から敷地に生えていたものとの事でした。

緑で覆いつくされた建築はバワの理想郷

東にずっと歩いていくとこの様な風景

シーギリヤウイングの先端部

寄り道してしまいましたが、廊下の階段室。この階段で地上に降りる事ができます。また、6階へとつながる階段でもあります。



外部から見た階段室
外壁はアースカラーのグリーン

6階から見たスパへとつながる階段。鋼管を中心として段板を支えるプレートが接合されており、2本の鉄骨が桁となって支えています。下半分の荷重を支えるために壁からも支持をとっているのがわかります。手摺りがないため、常に端を注意深くあるくように促されます。。。段板も3本の径が違う丸鋼で支えられ、天井にプレートが埋め込まれていました。長さがあるため、壁からの支持がないと横揺れの変形に耐えられないでしょうね。しかし、信じられないほど美しい階段でした。


ここまでの2回で書いた記事でようやくカンダラマホテルの全体をご紹介できました。
次回、早朝から日没まで二日間の間で撮れた写真の中から美しいものをピックアップして締めくくろうと思います。
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